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足場屋と足場鳶の違い【鳶職の種類と必要な資格も解説】現場経験なし

ガテン系で仕事をしようと考えています。足場屋と足場鳶は違ますか?そして現場経験がない僕の様な人に、おすすめはどっちですか?あったほうがいい資格なども知りたいです
こんな悩みに応えます
こんにちは筋パパです
足場屋と足場鳶って何か違うの?
実際に、僕は17歳から20年間建設業に携わってきました、もちろん足場鳶も経験済みです
「鳶さん」と「足場屋さん」「鉄骨屋さん」と呼ばれてきた僕が、鳶職の違いと必要な資格について解説していきます
記事を読み終えると、足場屋と足場鳶の違いが分かり、将来的に自分にあった鳶職を選ぶことができます

足場屋と鳶職との違い【他の鳶職も解説】
足場屋とは、主に楔式の住宅用の足場を専門に施工する鳶の事です
自社の材料をトラックに積んで運び、現場で組み立てます
使う道具は主にハンマーで、寸法とおりの材料を組み立てていきます
作業現場は回収現場が多いです
改修現場の反対は新築現場です
他にも
- 足場鳶
- 鉄骨鳶
- 重量鳶
- 橋梁鳶
- 送電鳶
があります
詳しく解説します
建物を建てる時の工法
ここで建物を建てる時の工法について少し触れておきます
と言うのも、新築の建物の工法によって活躍する、要の鳶職が変わるからです
ザックリ分けて2種類あります
- RC
- SRC
です
RC工法とは
鉄筋コンクリート構造(てっきんコンクリートこうぞう)とは、鉄筋コンクリートを用いた建築の構造もしくは工法。英語のReinforced-Concrete(補強されたコンクリート)の頭文字からRC構造またはRC造と略される。
SRC工法とは
鉄骨鉄筋コンクリート構造(てっこつてっきんコンクリートこうぞう)とは、鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete)の芯部に鉄骨を内蔵した建築の構造もしくは工法。英語の"steel reinforced concrete"の頭文字からSRC構造またはSRC造と略される。
という訳で、RCとSRCで活躍する鳶職と、他の種類の鳶職を詳しく解説していきます
足場鳶とは
足場鳶とは、主にRC造の新築の建築現場で活躍する鳶職です
新築のマンションなどを建てる時には、鳶職の他にも
- 大工
- 鉄筋屋
- 型枠解体屋
- 内装屋
- 電気屋
などの職種が協力して、新築現場で一つの建物を作り上げていきます
足場鳶は「鳶さん」や「足場屋さん」とも呼ばれますが、基本的にやることは変わりません

例えば、鉄筋屋が階段の鉄筋を組みたい時に足場が必要だったりします
そんな時は、足場鳶職が呼ばれてさくっと足場を作ります
他にも、大工が枠を建てたい時に足場をかけたりもします
つまり、新築の建築現場の鳶職は、現場のサポート全般を請け負うリーダー的な職種という事です
鉄骨鳶とは
鉄骨鳶とは、主にSRC造の新築現場での活躍する鳶職です
鉄骨鳶と言う名前のとおり、鉄骨を組み立てる専門鳶職です
例・今日は「建て方」
クレーンを使い、合図を出します
鉄骨の柱を立て、G梁を巻き、B梁を巻いていきます
梁を巻いたら、次の業者が安全に作業できるように水平ネットを張ります

その後、梁にボルトを入れ「本締め」と言われる作業でボルトの強度を高めます

本締めを終えたボルト部分に、ペンキを塗って完成です
重量鳶とは
重量鳶とは、主に発電所や工場のプラントと呼ばれるところで作業する鳶職です
石油製油所などは、常にメンテナンスが必要です
具体的には、配管部分の交換や機材の入れ替えなどです
重い物や特殊なものが多いので、専門知識が必要です
重量鳶の主な作業内容は
- 配管の交換や機材の入れ替え
- 交換する時の足場を組み立て
つまり、プラント内で重量物を扱う総合職の様な鳶職です
プラントでは考えられないような何百トンもある重量の物を取り付けたりします
という訳で、専門職の重量鳶が活躍するという訳ですね
プラント以外でも、キュービクルの交換をしたりする専門の重量鳶もいます
キュービクルを扱う重量鳶の作業は、夜間に行われる事が多いです
なぜなら、電気が止まるからです
という訳で、こちらも時間と専門性が求められます
つまり、重量鳶と言う専門業者が必要になるという事ですね

橋梁鳶とは
橋梁鳶とは、字のごとく橋を架ける専門職です
橋げたにもいくつかの種類があります
- 普通のH型の橋げたを架ける構造
- ボックス型の橋げたを架ける構造
です
どちらも想像できないほどの重量を扱うので専門知識が必要です

僕も橋梁鳶を2年程経験しました
橋梁鳶の特徴は、とにかくボルト入れの数がハンパじゃ無いです
注意して見てもらうと、橋のつなぎ目部分に、無数のボルトが入っていると思います
橋梁のボルト入れは、仮のボルトを入れて作業を進めていき、後方から本ボルトを入れる作業に分かれています
橋げたは背が高いので一人ではボルト入れができません
H型の桁では反対側からボルトを入れてもらいます
ボックス型の桁では、中に人が入りボルトを締めていきます

ボルト入れの作業は、常にハンマーを振り回しているので、夏はめちゃ熱く、冬でもめちゃ熱いです笑
握力がハンパじゃなく疲れます
という訳で、橋梁鳶は橋を架ける専門の鳶職という事ですね
送電鳶とは
送電鳶とは、主に鉄塔に登り電線のメンテナンスをする専門の鳶職です
正式名称は送電線架線工。特別高圧架空電線路の敷設や保守作業などを行う。作業には電気工事士の資格が必要なため就業者は工業高校や高等専門学校の卒業生が中心だという。近年は担い手が少ないため、送電線架線工会社は人員の確保に困窮している。

仕事場は主に山奥です
つまり送電鳶は、人里離れた山奥の高い所で作業をしなければならない専門の鳶職ということです
足場屋と足場鳶に必要な資格
足場屋と足場鳶は似ていますが、必要な資格が違ってきますので紹介します
資格とは
資格とは
資格(しかく、英:Qualification、Certificate)は、ある行為を行うために必要若しくは相応しいとされる地位や立場をいう[1]。
鳶職で使う資格は主に技能講習です
技能講習とは
というわけで、技能講習とは
技能講習は、免許よりは権限が限定され、特別教育よりは高度な業務を行えるため、それらの中間に位置するものとされている。
つまり、技能講習とは
免許よりは下ですが、特別講習よりは上という事です
作業主任者とは
作業主任者とは
労働安全衛生法では、一部の危険・有害業務について、作業者の中から、それらを統括する立場の作業主任者を選任することを義務づけている。この場合、作業者なら特別教育すら不要だが作業主任者には技能講習以上を課すもの(第一種圧力容器、鉛、有機溶剤など)、作業者に特別教育以上を課し作業主任者には技能講習以上を課すもの(ボイラー、酸素欠乏・硫化水素など)、作業者に技能講習以上を課し作業主任者には免許を課すもの(ガス溶接)等々、業務の種別により必要とされる資格のレベルが異なる場合がある。
つまり、作業主任者は作業をするグループのリーダーです

技能講習は基本的に更新が無いです
一度取得すると、現時点では更新の必要がありません
資格を取得しないと作業ができないという訳ではないので、参考程度にどうぞ
足場屋に必要な資格
足場屋に必要な資格は主に2つです
- 中型免許
- 足場組立作業主任者
です
中型免許
中型免許は、現場に足場材を運ぶ時に使います
ちなみに僕らの時代は普通免許で中型と言う概念がなかったので4トントラックなどは普通免許で乗れました
中型免許は資格ではなく、免許です
一般的には教習所など試験を受けて交付されます
足場屋で稼ぎたいなら中型免許は優遇されます
昇給するチャンスも大きくなるので、中型免許は余裕があれば取得しておくのをおすすめします
足場の組立等作業主任者
足場の組立等作業主任者は技能講習です
つり足場、張出し足場又は高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行う場合において労働災害の防止などを行う。
受講資格は
足場の組立て、解体又は変更に関する作業に3年以上従事した経験を有する者。wiki
です
足場鳶に必要な資格
新築の現場で活躍する、足場鳶に必要な資格は多いです
なぜなら、新築現場で求められる仕事は多種多様だからです
その分応用力も必要ですが、やりがいも多い鳶職と言えます

足場の組立等作業主任者
上記の説明のとおりです
鉄骨組み立て作業主任者
鉄骨組み立て作業主任者の正式名称は建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者と言います

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者(けんちくぶつとうのてっこつのくみたてとうさぎょうしゅにんしゃ)は、労働安全衛生法に定められた作業主任者(国家資格)のひとつであり、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者により選任される。
概要はこんな感じです
建築物の骨組み又は塔であって、高さが5m以上である金属製の部材により構成されるものの組立て、解体又は変更の作業を行う場合において労働災害の防止などを行う。
受講資格はこんな感じです
建築物の骨組み又は塔であって、金属製の部材により構成されるものの組立て、解体又は変更の作業(次号において「建築物等の鉄骨の組立て等の作業」という)に関する作業に3年以上従事した経験を有する者

玉掛け(4トン以上)
玉掛けとは
玉掛け(たまかけ)は、クレーンなどに物を掛け外しする作業のことである。
玉掛けの資格は必須です
なぜなら、現場では重量物だらけだからです

と思われがちですが違います
品物の重量は関係なく、使用するクレーンによるからです
例えば、品物の重量が100㎏でも、使用するクレーンが25トンの場合は、4トン以上の玉掛けの資格が必要になるという事です
日本では労働安全衛生法により、労働安全衛生法施行令第20条第16号において「制限荷重が一トン以上の揚貨装置又はつり上げ荷重が一トン以上のクレーン、移動式クレーンもしくはデリックの玉掛けの業務」に就く者を制限している。つまり、荷物の重さにかかわらず、クレーン等の能力が1トン以上の場合に、ワイヤーを掛けたりして、荷物を吊り上げたりさせることに一定の資格(労働安全衛生法に規定する「玉掛け技能講習」の修了者)を要求している。

危険な作業で事故も増えているので、資格を取り安全に作業をしましょう
玉掛けとは
玉掛け(たまかけ)は、クレーンなどに物を掛け外しする作業のことである。
型枠支保工の組立て等作業主任者
型枠支保工の組立て等作業主任者とは
型枠支保工の組立て又は解体の作業を行う場合において労働災害を防止する。

と思われがちですが実は違います
なぜなら、足場鳶も支保工足場を組むからです
支保工とは、支える足場つまり、荷物を載せる為の足場です

支保工足場を組むには、型枠支保工の組立て等作業主任者の資格が必要です
受講資格は以下のとおりです
型枠支保工の組立て又は解体に関する作業に3年以上従事した経験を有する者
あれば便利な資格
ここからは必須ではないですが、作業をするにあたりあれば便利な資格を紹介します
- 高所作業車運転者
- とび技能士
です
高所作業車運転者は技能講習と特別講習があります
- 技能講習は作業床の高さ10m以上全ての高所作業車
- 特別講習は作業床の高さ2m以上10m未満の高所作業車
を運転することが出来ます
ちなみに技能購入を取得すれば消防車のはしご車にも乗れます
つまり、現時点では高さに制限がないという事です
とび技能士は国家資格です
と言っても、建設業で20年以上働いてきましたが、とび技能士の資格を持っている人は数人でした
必須ではないですが、持っておくと、自慢できるという感じです
以下概要です
とび作業の段取り、仮設の建設物の組立てや解体、掘削、土止めや地業など、とびに関する能力を認定する国家資格であり、名称独占資格である。 等級には、1級~3級まであり、それぞれ上級技能者、中級技能者、初級技能者が通常有すべき技能の程度と位置づけられている。
とび技能士は、職業訓練指導員 (とび科)の実技試験免除資格になっている。

- 1級
- 丸太又は鋼管を使用して真づか小屋組の作業を行う。
- そり(こした)にのせた重量物の運搬の作業を行う。
- 3種類の重量物の目測の作業を行う。
試験時間=2時間15分(丸太)、2時間5分(鋼管)
- 2級
- 丸太又は鋼管を使用して片流れ小屋組の作業を行う。
- 3種類の重量物の目測の作業を行う。
試験時間=2時間5分(丸太)、1時間55分(鋼管)
- 3級:枠組、単管及び木製足場板を使用して、枠組応用登り桟橋の組立てを行う。試験時間=2時間

足場屋の給料と将来性

危険に晒らされ、重量物を扱い、暑い中寒い中作業をするので、当然給料はいいはず
しかし、実際はそこまで高額ではありません
足場屋をやったことはないですが、親友が足場屋をやっており、都内でも2万円はもらえないです
つまり、会社次第という事です
ちなみに足場屋は、足場鳶と違い新築現場ではなく、改修現場がメインなので、足場を架けたら終わりです
つまり、足場屋の会社は現場を回すほど儲けるいう事です
そのため仕事が出来る足場屋の職人は重宝されます
- 仕事の手際の良さ素早い作業
- 悪条件の中での作業の忍耐力が求められます
こなせばこなすほど給料も上がるので、稼ぎたいなら足場屋でガッツリ稼ぐのもありです
足場屋は独立して個人事業主にもなれる
実績と営業力があれば、足場屋として事業主になれます

足場屋は、若いうちに実績と信頼を得て、会社を興せるという夢があります
足場屋と足場鳶【選ぶとしたら】
以上の事を踏まえて足場屋と足場鳶を選ぶ基準は以下の2点です
- 一つの現場で総合的に建築を学びたいか
- 多数の現場を体力で稼ぎたいか
です
どちらが向いているか見ていきましょう
向いている鳶職はこんな感じです
体力勝負で多数の現場を素早くこなし、専門の足場を組み立てるなら足場屋
僕は足場屋には向いていませんでした
なぜなら、きついのが嫌だからです
足場屋はひたすら同じ事の繰り返しです
- 足場を組む
- シートを張る
- 完成
改修工事が終了する
- 解体作業
- 足場を解体する
- 足場材を運ぶ
- 次の現場に運ぶ
の繰り返しです
つまり、同じ事の繰り返しで体力勝負です
しかし、足場屋に話を聞くとみんな声を揃えてこう言います
「建築現場はめんどくせー」
つまり、きつい鳶職でも性格によっては、向き不向きがあるという事すです
参考にどうぞ
足場屋まとめ
以上でまとめます
足場屋と足場鳶の違いは、建物の構造によって専門性が違います
- 足場屋は、楔をハンマーで入れ込む足場を体力勝負でこなし
- 足場鳶は、新築現場で他業種と連携して、一つの建物に最初から最後まで携わります
足場屋や足場鳶の他にも鳶職は
- 鉄骨鳶
- 重量鳶
- 橋梁鳶
- 送電鳶
があります
どれも専門性が高く、目的にあった鳶職を選ぶとよいですね
ちなみにどの鳶職もきついという点は共通しています
鳶職は具体的に何がきついのか知りたい人は鳶職はきつい【学歴なしで勉強が嫌い!でも稼ぎたい】給料も公開で公開しています
という訳で、今回は以上になります
最後までご覧いただきありがとうございました
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